まずは、こちらの写真をみていただけますでしょうか?
世界のあらゆる場所でコスプレをする男。
彼の名前は正木慎一さん、36歳。(2021.4現在)
彼は、”人を笑顔にするため”なら、命をかけてでも行動にうつす強固な意思の持ち主です。
(じゃないとここでうさぎの被り物かぶれないですよねー!)
そんな正木さんの原点は、幼少期にありました。
幼い頃に母親を亡くし、三好市池田町の祖父母宅で育った少年時代。
”人はいつ死ぬかわからない”という正当かつ残酷な事実を、幼い頃から肌で感じながら生きてきたのです。
ですが、ご自身のことを不幸だと感じたことは一度もないといいます。
なぜなら、祖父母や親戚、近所の人がいつも遊んでくれたから、話を聞いてくれたから・・・
正木さんは幼心にも、「いつか地域の人に恩返しをしたい!」と誓っていたのです。
そして現在、みよシネマパラダイスの代表として、三好市池田町でドライブインシアターを開催し、町の住民や子ども達に「笑顔になれる楽しい場」を提供しています。
”新しいことをはじめるのは大変”
その思いが、行動を制限している人はいませんか?
彼がどのように恩返しを実現し、多くの人の心を動かしているのか、、、ここでは、正木さんの生き様から学ぶことが多いのではないかと思います。
名前 | 正木慎一(まさきしんいち) |
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生年月日 | 1984.6.17 |
活動内容 | みよシネマパラダイス 代表 |
趣味 | 読書、旅行 |
好きな食べ物 | カレー、ハンバーグ |
SNS |
”家族のために生きる”と決めた16歳
6歳の時、池田町に引っ越してきた正木さんは、お姉様にくっついて過ごす恥ずかしがり屋の男の子でした。
ですが人懐っこく、社交的な性格でもあったため、池田の暮らしや小学校に馴染むまでに時間はかかりませんでした。
そうはいってもやっぱり寂しかったでしょうし、なかなか立ち直れなかったでしょうね・・・というと、
やっぱり母が亡くなった時はすごくショックで、あの時のことは今でもはっきりと覚えています。
だけど僕は友だちや周りの人に、本当に恵まれていたんです。
だから子どもってよくいえば柔軟で、遊んでいる時や楽しい時は寂しさを忘れていました。
だけど、授業参観や母の日のお絵かきなんかになると、やっぱり寂しかったですね・・・
と、おっしゃっていました。
そこから中学、高校へと進まれた正木さん。
人生はなかなかご自身が思い描いたようには歩めませんでした。
高校1年生の時に家族が体調を崩し、高齢になったお祖母様のサポートをする必要があったのです。
お母様がいないため、その穴をほかの誰かがカバーしなければいけなかった時、
「今までお世話になってきたから、今度は僕が助ける番だ!僕は家族のために生きる!」と、16歳のとき決心されたのです。
中高校生という多感な時期、正木さんは数々の困難を乗り越えられました。
”大学へ行って、海外で働いてみたい”という夢もありましたが、自分を育ててくれた祖母に孝行できるチャンスは今しかない!
そこには、お母様に孝行できなかった後悔の気持ちもあったといいます。
そして今後の進路を考えていたとき、アメリカ同時多発テロで人々が必死に逃げる中、果敢にビルへ向かうレスキュー隊員に心を奪われたことから、消防 吏 員 になることを決意されたのです。
家族を支えるためと、お世話になった方々に恩返しがしたいという気持ちとともに・・・
自分のための人生を生きる
消防吏員になり、消防隊員・救急隊員として、多くの人のお役に立てるようになったと思う反面、正木さんの中にはある想いがありました。
この仕事をしていて、「ありがとうございました」と言われる機会は増えたけど、人が喜んでいる姿を見る機会がない、、人の笑顔を見たい!
何度も自殺の現場を目の当たりにし、感じてきた無力感・・・
もっと気楽に、肩の力を抜いて人生を楽しめられるよう、僕が人のためにできることは何なのか・・・
少なからず恩返しはできていたかもしれないけど、何か満たされない感情があったそうです。
人々を心から笑顔にするためには、どうすればいいのか・・・
自分自身、今の状況に心から笑えているのだろうか・・・
そんなことを考えている時、ご家族の健康状態にも回復の兆しがみえ、世界へ行くという諦めていた夢を実現するには今しかないというチャンスが訪れました。
32歳の正木さんは、「いま行動しないと後悔する!」と感じたそうです。
ただ、消防吏員を辞めることに、周囲は猛反対・・・
しかし自分の成長のため、世界へ行って色々な景色をみたり、人や考えに触れたいという夢を叶えるため、バックパッカーで世界1周(50ヵ国)することを決められたのです。
人は気持ちで通じ合える
約1年という旅の間は、本当に毎日が楽しかったといいます。
今まで見たことのない景色、人々の暮らし、考え方・・・出会うものすべてが新鮮で、「地球に生まれてよかった!お母さん生んでくれてありがとう!」と心の底から感じたそうです。
また現地の人が、コスプレをしている正木さんをみて、とても喜んでくれたんですって!
国によっては、今まで見たこともない仮装を見て大笑いしてくれる人がいて、、、言葉は通じなくても、心は通じ合えることを体験したそうです。
国同士が不仲だろうが、人種が違おうが、言語が違おうが、人と人は笑顔でわかりあえるという真実を、自ら証明したのです。
(旅の途中、ナミビアでナイフを突きつけられ全速力で逃げ切ったことや、立ち小便で警察に連行されたこと、ある国のソウルフードが雑巾に見えたことなど・・・旅のお話はどれもスリリングでエモーショナルでした!!笑)
コスプレをしていると目をつけられませんでしたか?恐怖はなかったんですか?言葉はどうしていたんですか?
(聞きたいことが止まらない・・・)
恐怖はなかったですよ!それにコスプレだからって何かされたこともないです!
言葉は中高で習った英語しかわかりませんが、なんとかなるもんですよ~!(笑)
やっぱり楽しんでくれる笑顔は、嬉しいですね~!行って本当に良かったです!
と、おっしゃっていました。
(楽しませるスケールの大きさっっ!!!)
地元、三好市に恩返しがしたい
正木さんは世界を旅した中で、子どもからお年寄りまでが食事をしながら映画を見る、ドイツの「屋外上映会」にとても惹かれたそうです。
”海外の人は、人生を楽しむ術を知っている”と感じるほど、人々がゆったりと映画鑑賞を楽しまれていたんですって!
これならできるかもしれない!?
三好市の人にも体験してもらいたい!
正木さんは、三好市の人々を笑顔にする方法を、旅の途中もずっと考えていました。
ところが帰国して数年経った2020年、コロナウイルス感染症が世界的に猛威をふるい、人が集まる屋外上映会は断念せざるをえませんでした。
コロナウイルスが流行しはじめ1年弱、、、人々は自由な生活を失い、各行事やイベントも軒並み中止となっています。
消防吏員をしていた経験から、この状況下、悩み苦しむ人がたくさんいることは安易に想像がつくそうです。
そこで、そのような人に”少しでいいから笑顔になれる時間を作りたい” ”今までもらってきたものを返したい!”との想いから、ソーシャルディスタンスが確保されるドライブインシアターを三好市で行うことにしたのです。
ですが、一個人が公共の場を借りて映画を放映することはたやすくなく、一筋縄にはいきませんでした。
車が何十台も止まれる場所、騒音問題、スクリーンやプロジェクターなどの環境設備、著作権料・・・
決まりかけていた場所も住民に断られたり、準備や開催に向けて自腹を切った金額も図りしれません、、、
何度も心が折れそうになったそうですが、正木さんの周りにはいつも仲間がいました。
同級生や消防吏員時代の同僚が笑顔で励まし、力を貸してくれたのです。
そして、やっとの思いでたどり着いた初回、50台を超す住民の方が、ドライブインシアターを見ににきてくれました。
帰り際、「楽しかったよー!ありがとう!」とニコニコ帰る人々を見て、嬉しかったと共にホッとしたそうです。
この「ありがとう」こそが、正木さんの求めていた喜びの感謝でした。
周りからみれば無謀と感じることを、やってみせる正木さん。
”命の尊さ”というお母様が残してくださった人生の指針が心に刻まれているからこそ、恐れず前向きに挑戦できるのでしょう。
「人生は一度きり!成せばなる!」というよく聞くフレーズも、正木さんの生き様をみていると、自然と納得がいきます。
正木さんに、なぜそこまで人のために尽くせるのか尋ねたところ、、、
結局は自分のためでもあるんです。
人が喜んでくれると、自分が嬉しいんです。
そしてここだけの話、社会人になれば疎遠になりがちな同級生や元同僚、仲間に会えるのが楽しみなんですよね~!
と、おっしゃっていました。
正木さんは小さな頃から悩んだとき、相談できるお父さん、お母さんがいませんでした。(お父様はサラリーマンで、単身赴任だったため)
そのため、偉人伝や人物伝を読んで、自分を励ましてきたそうです。
ですが今、正木さんの周りには友だち、元同僚、友だちのご両親、阿波おどりの仲間・・・
たくさんの人がいます。
それは、正木さんが恩返しをしたいと感じてきた反面、これまで彼の存在、生き様に勇気づけられてきた人がたくさんいるからではないでしょうか。
何かを成し遂げることは、決して一人ではできません。
つまるところ、人は人と支え合って生きているのです。
こんなご時世だからこそ、”悩むより、良くなるようにまず行動!”をモットーとする正木さん!
彼と、彼に賛同する多くの人々が創り出す今後の三好市が、とても楽しみです!
次回のドライブイン・シアターは、5月1日(土)上映開始 19:30~入場無料
上映作品は、「ミニオンズ」のスタッフが手掛けた大ヒット感動アニメ「ペット」
三好市池田町吉野川運動公園グラウンドで開催されます。
人との接触は抑えられ、映画館とは違う個別空間の中、映画を楽しめるドライブインシアター。
お子様のいるご家族や、カップルにとてもオススメです!
好奇心に溢れ、ポジティブに挑戦を続ける正木慎一さんを、私たちはこれからも応援しています。