これからをになう子どもたちに、地元「那賀川町」を好きになって欲しい!

そう語るのは、那賀川町商工会青年部部長・那賀川町商工会副会長を兼任する春野祐治さん、34歳!(2020.9現在)

那賀川町といえば、「出島壁画再創造プロジェクト」
っといっても過言ではなく・・・
町内だけにおさまらず、県内外から大勢の人々が参加する大イベントを成し遂げている町です。

昨年は約300人もの人が参加し、約200mの壁画を再生することができました。

今年も令和2年11月8日(日)、壁画再創造が行われます。
※令和3年は、11月7日(日)に開催されます。

春野さん率いる那賀川町商工会青年部は、壁画再創造プロジェクト完全実現のため、懸命に動き続けているのです。

conasu

こんにちは、ライターの辺見です。
今回は、プロジェクトの中心で奮闘している春野さんにお話をうかがいました。
常日頃、壁画と向き合う彼のプライベートを知らない方も多いと思うので、今日は春野さんの人柄や想いを感じていただければと思います(^^)

名前 春野祐治(はるのゆうじ)
生年月日 1985.12.9
職業 有限会社 春野土建
趣味 キャンプ、外遊び(テント買いました!)
好きな食べ物 妻の手料理♡
SNS

正真正銘の那賀川生まれ、那賀川育ち!

1985年、那賀川町に生まれる。

平島小学校

那賀川中学校

阿南工業高校(現:阿南光高校)

徳島文理大学短期大学部保育科を卒業

生まれてこのかた、那賀川町から一歩も外に出て暮らしたことがない男!

彼こそが、正真正銘の那賀川生まれ、那賀川育ち!

小学校時代は6年間サッカー部、中学校時代は3年間テニス部に所属していました。

ですが、休むことなくまじめに出席するも、万年補欠・・・
一生懸命頑張ったけど、輝かしい記憶は残っていないんだとか、、、

そして高校から大学を卒業するまでの間は、とにかくバイト!
思春期の多感な男子が、阿南市の某スーパーで5年間も働くという、根っからの超まじめな男なんです。

とはいえ、大学時代は友達とバンドを組み、ボーカル&ベースを務めるという経歴も持ち合わせています。

何を隠そう私の主人もバンドメンバーなので、2人が所属するグループのライブは何度も見たことがありますが、、、
う、うん、、かっこよかったですよ(笑)

作詞作曲をしたり、ベースの練習をしたり、この頃は友達とバンド活動をすることが楽しかったそうです。

その頃を思い出す春野さんは、

春野

地元にはずっと住んどったけど、実は那賀川がとくに好きってわけではなかったんよなぁ~お店があるわけでもないし、、、
あの頃は、人前に出るのも好きじゃないし、地域のため、人のために何かしたいなんていうことは、思いもつかんかったなぁ~

っとおっしゃっていました。
(ボーカルはしてたけど人前は苦手(笑))

短大卒業後は、男性保育士がめずらしい時代でもあったなか、阿南市の公立保育所で保育士として約3年間勤務をしていたそうです。

ですが結婚のタイミングや家庭の事情もあり、保育士を辞めて家業である春野土建で働きはじめたのが今から10年前。

社長である父と母の3人で、建設業に加え、2.3ヘクタールのお米を生産する兼業農家として、今も頑張られています。
(2.3ヘクタールとは、運動場2個分と体育館3つ分なんですって!)

人生の転機!那賀川町商工会青年部

そんな春野さんの転機となったのが、那賀川町商工会青年部への勧誘でした。

地元で家業をするとなれば必ず誘いがくるのはわかっていたけど、人見知りで人前に出るのが好きじゃない性格。

最初は”ぅぅぅわっっ!どうしよ!!嫌やなぁ~(笑)”と思っていたんだとか、、、
(言っちゃったけど諸先輩方怒らないで!)

だけど、”家業をやっていくにあたって仲間が欲しい!”と思い商工会に入会したところ、彼の人生は大きく変わりはじめたのでした。

商工会に入会して6年目のこと。
周りからの推薦もあり、商工会青年部部長に任命されたのです。

当時は”いったい自分に何ができるんだろう・・・”と深く悩まれたそうです。

「那賀川道の駅でのフリーマーケット」、「ご当地B級グルメへの出品」・・・

那賀川町をPRするためにできることは、精一杯挑戦されました。

ですが思ったほどの効果は得られなかったんですって、、、

そこで、以前町内の保育園、小中学校の保護者の方に出していた「那賀川町でやって欲しいことアンケート」の結果をもう一度振り返ることにしました。

そこには、「出島の壁画を再創造して欲しい!」という声がたくさん・・・

資金面や実作業を考えると簡単なことではないけど、、、「壁画の再創造・・・やってみようかな」と思いはじめた瞬間でした。

※出島の壁画とは・・・那賀川町出島地区にある海岸堤防には、今から約30年前、7千人もの人が集まり、1日で2.8kmの壁画が描かれたという歴史があります。
そこは那賀川町の観光スポットとなり、たくさんの人が訪れ賑わっていたそうですが、長い年月を経て壁画は色褪せ、草木は生い茂り、いつしか誰も近寄らない場所となっています。
春野さん含め青年部のメンバーも、幼い頃壁画を描いた一員なのです。

壁画再創造が動き出す!壁画をモチーフにした映画撮影

春野

9年前に部長をされていた先輩も壁画を再創造しようとしとったけど、護岸工事(河川の氾濫防止や磯の高波から内陸を守るための工事)で立入禁止になってできんかったんよなぁ・・・
今でも先輩たち壁画を復活させること諦めてないし、工事も終わったし、今なら壁画再創造、できるかもしれんなぁ、、、!?

そんなふうに考えていた矢先、神様が後押しをしてくれたのか、春野さんが引き寄せた運なのか、春野さんの母校である徳島文理大学の生徒が那賀川町へゼミ合宿にきたところ、既存の壁画に興味を示したのですっっ!!!

「この壁画をきれいにして、ウォーキングコースにするのはどうでしょうか」

ゼミ合宿のまとめ意見を、阿南市市長に提出してくれたそうです!
春野さんじゃなく文理大生が!!!(笑)

そして、その後も続く幸運の波!

さきほどのゼミの教授と三好市池田町出身の映画監督、蔦哲一朗さんがフェリーで偶然乗り合わせ、「とくしま若者回帰」をPRする短編映画が壁画をモチーフに撮影されるという話にまで発展したんですって!

それが、とくしま回帰短編映画「AWA TURN(仮)」

現在徳島市長である内藤佐和子さん主演の短編映画なんです。

conasu

えっ!なにその流れ!めちゃくちゃ強運の持ち主ーーー!!!

春野

そぉ、これはもうやるしかないっっ!!!と思ったな。
僕たちの力で30年前と同じように出島の壁画を復活させて、那賀川町に人が集まれる場所を作る!
この場所で、いろんな人がつながれる場所”TSUNAGU STREET”を作るんじゃぁーーー!!!って、、

ここからの春野さん率いる那賀川町商工会青年部は、壁画再創造のため、寝る時間も遊ぶ時間も家族との時間も犠牲にしながら、ただひたすらに活動し続けていくのでした。

たくさんの方が協力して下さった下準備と昨年度の様子

壁に絵を描くためには、下準備をする必要があります。

周辺の草木を刈ってきれいに整備し、壁のコケやカビを高圧洗浄機で流して、色褪せた壁に下地塗料、白いペンキを二度塗りする・・・
そぉ、簡単な作業ではありません。

映画製作の時は、これらの作業を青年部の仲間が家業の隙間時間にこなしたそうですが、その時の壁画の長さは20m

昨年、壁画再創造に掲げた目標は200m!
(あのときの10倍・・・キツイ、、、!)

自分たちの力だけでは限界を感じ、阿南市長にご相談したところ・・・

  • 大日本塗料の会長が阿南市出身ということで、塗装準備をご協力
  • 町内の方が総勢100人集まってくれての草刈り作業
  • 南部テクノスクール塗装技術科の訓練生による塗装ボランティア
  • クラウドファンディングで581,000円もの御支援
  • 徳島県の補助金制度

これほどたくさんの方々のご協力やご支援をいただき、2019年(令和元年)の壁画再創造は目標達成できたそうです。
(春野さんが困ったとき、必ずだれかが助けてくれるのは運だけじゃなく、彼の人柄が多くの人々の心を動かしているんだと思います!)

これまでの活動を凝縮してまとめてしまいましたが、これだけの方の協力を得て実行するためには、数え切れない苦労や困難があったと思います。

conasu

春野さん!何がそこまで春野さんを奮い立たせるんですか!??

思わず聞いてしまいました。

すると、

春野

多くの方々の力をお借りして達成できたことは、僕にとって大きな自信になったし、「地元のためにさらに頑張ろう!」と心から思った!
那賀川町には地元が好きで頑張っている人が多いし、壁画を再生させたい人もたくさんいる。
そんな人たちをみていると、自分も力になりたいんよ!
子どもたちにも地元を好きになって欲しいんよ!

若かりし頃の春野さんとは180℃違う、地元に対して愛の込もった力強い言葉が返ってきました。

私が知っている春野さんはそこには居なくて、久しぶりにあった彼は自信とヤル気に満ち溢れていました。

  • 町内の先輩や同期・住民の方という仲間ができたこと
  • 心の底から「那賀川町をよくしたい!」という気持ち

これらが彼を一回りも二回りも成長させてくれたんだと思いました。
(家にあまり居られず妻に負担をかけていることは申し訳ないともおっしゃっていましたが、きっと家族もわかってくれていると思います!)

2020年度、クラウドファンディングは9月14日が締め切りです

今年も200mの壁画を再生させるため、南部テクノスクール塗装技術科の訓練生に力をお借りして、下準備を進めています。

ですが、塗装料や周辺整備の資金調達に限界があり・・・
今年もクラウドファンディングをお願いしています。

もし、この記事を読んでくださったなかで、

  • 「壁画再創造プロジェクト」を応援したい!
  • 春野さんを応援したい!

と感じてくださる方がいれば、これほど嬉しいことはありません!!!

リターン品には那賀川町のおいしい物や壁画を描ける権利がありますので、どうかご支援のほどよろしくお願いいたします。
詳しくはこちらをご覧くださいね。

※2020年度のクラウドファンディングは、終了いたしました。

※2021年9月1日追記

2021年度、壁画再創造は、令和3年11月7日(日)10:00に開催予定です。
2021年度クラウドファンディングは、9月30日(木)23時59分59秒まで行われています。
クラウドファンディング及び当日の詳細についてはこちらをご覧ください。

壁画を描く方法

また、なかには「私も絵を描きたい!」という方もいるでしょう。

今年はクラウドファンディング(7,000円分)をしてくださった方に、「壁画再創造参加券」をお渡しいているそうです。

自分が描いた絵がこれから何十年もそこに描かれ続けるって、すごいですよね!

絵が上手とか下手とか関係なく、家族や仲間と楽しく描くという経験が、これから先ずっと心の中に生き続けるでしょう。

さらに、自分が描いた絵ってまた見たくなるんですよね(^^)

ふとした時に出島へ行って、絵と海をみながらお弁当を食べる、、、

そんなふうに人が集まれる場所をつくりたい!と春野さんは考えているそうです。

人と人をつなぐ”TSUNAGU STREET”

お店があって賑やかな場所もいいけど、自然に囲まれたこの出島で、家族や友達、大切な人と過ごす時間も悪くないっ!

商工会に入会し、地元「那賀川町」と向き合ったことで、春野さんの地元に対する意識は大きく変わりました。

「那賀川町はエエところ!」

子どもたちに胸を張っていえる地元作りに、これからも邁進してほしいと思います。

最後に、春野さんが先輩に言われて心に残っているお言葉があるそうです。

「春野くん!これだけで終わらせたらいかんよ!」

壁画だけでなく、人がつながれる場所・・・
彼の頭の中には、この場所で、さらに人と人がつながれる楽しいことを考えているのかもしれません、、、

春野さんが部長になって4年目。
実は、今年で任期満了なんです。

春野部長最後の年!
どうかみなさんの温かいご支援を、よろしくお願いいたします。

※こちらのチラシは令和2年度のものです。