8か月のママ

うちの子、全然寝てくれないんだよね。
毎日寝かしつけの時間が憂鬱、、、

1歳5か月のママ

うちはせっかく作った離乳食を手でグチャグチャにするから困ってる、、
床に落として遊ばれると、ついイラッとしちゃう・・・。

妊娠8か月&2歳10か月のママ

わかる!私はごはん中、椅子の上に立ち上がるのを止めるのに必死!
あと、上の子の「ママ見て!ママ見て!」が地味にキツイ、、、

待ちにまった我が子との生活。
妊娠中はいろいろなことを想像し、

パートナーと我が子と幸せな生活を送ることを夢みてた。
なのに現実は、思い通りにいかない。
イライラすることが多すぎて、わたしもう限界、、
この場から逃げ出したい・・・

そんなふうに感じているのは、あなただけではありません。

コロナの影響で立ち会い出産は許されず、一人で出産をし、両親や友だちでさえ自由に会えない中、ほぼ一人で慣れない子育てをしてこられたんですもの、、
ママがツラいのも、寂しいのも、イライラするのも、余裕がないのも、”なんで私ばっかり”って泣きたくなるのも・・・当然です。

そんな時、パートナーが「よく頑張ってえらいね。ありがとう。」と声をかけてさえくれれば、どれだけ気持ちは救われることか・・・
それなのに、「子ども生んでキツくなった?性格変わったんじゃない?」なんて言われようものなら、その言葉は一生忘れないと思います、、、

あなたはきっと、真面目な頑張りやさんですよね。
お子さんに良い教育、規則正しい生活リズム、体に良い食事を与えてあげたいと、必死にがんばっていますよね?

いまは気持ちが沈んでいても、心の中に”お子さんへの深い愛”があることはわかっていますよ。
(そうじゃなければ、この記事を読んでいませんもの)

ここではそんなあなたに、「母親をやめたいループから脱出する方法」を2つだけお伝えします。

  • 3歳までに脳の土台は出来上がる
  • あなたの感情は過去の体験からできている

もしかすると脳のお話はすでに聞いたことがあるかもしれません。
ですが、情報が多すぎて3歳まで?6歳まで?とあやふやになっていませんか?
また子どものことは調べても、あなた自身について考えたことはありますか?

今後、”育児で後悔したくない” ”今の状況をどうにかしたい”と思っているなら、お子さんとあなた、両方について知る必要があります。
ここでは、現状を変える方法をお探しのあなたに、1つでも気づきやきっかけを与えられたらいいなと思っています。


【監修】
心を学ぶお教室 ちえのわ
代表 近藤めぐみ

子育てに悩む母親たちに、ママ目線の心理学メソッドを楽しく届けている。これまで幼児教室や心理学講座を通して多くのママや子どもたちと関わってきた経験から、子どもの脳の発達やママの心の癒し方に精通している。私生活では、4児の母。(長男、長女、双子の次男、三男)


子育てに悩んでいるのは、あなただけではありません

幼児の生活アンケート第6回|ベネッセ教育総合研究所

こちらは、子育てへの「肯定的な感情」「否定的な感情」がまとめられたグラフです。
調査を始めた2015年から2022年の間に、母親の子育てに関する肯定的な感情は減少し、否定的な感情は大幅に増加しているそうです。

これほど否定的な感情が増加している背景には、やはりコロナ禍で「孤立」を経験したママたちのストレスや苦悩があるのでしょう・・・。

今回この記事の監修に入っていただいている近藤さんは、元幼児教室の講師であり、心理学教室の先生です。
私生活では、4児の母(長男、長女、双子の次男、三男)という経歴から、

私とちがって、完璧でステキな育児をされているんだろうなぁ・・・

と感じていませんか?

実は、近藤さんも過去、怒ってばかりの自分に嫌気がさしたことから脳科学と心理学を学ばれました。
学びを活かし、下のお子さんに手がかかる分、ご長男との関わりを意識的に多く持たれたそうです。

しかし、ある日突然、小学生になったご長男は、
「お母さん!そんなに僕のこと嫌いなん!??」
と目に涙をいっぱい浮かべ、感情をあらわにしたといいます。

予想だにしていなかったご長男の姿に、近藤さんは大きなショックを受け、
「お母さんはこんなに◯◯くんのこと好きなのにーーーっ!!」
と、二人で号泣したそうです。

近藤さんはこの経験から、

私は無意識に長男の期待値を上げていたと思います。お兄ちゃんだからって、、
それから、私がしてあげたいことと、子どもがして欲しいことは違ったんだと気がつきました。
私はこの子のためによくやっていると自負していましたが、長男の求めていたことは違ったのかもしれません・・・。

このようにおっしゃっていました。

その後、ご長男は何もなかったかのように普段通り過ごし、今思い出しても、あの時の経験はお互いにとって学びの場になったといいます。

お立場上、なかなか話しづらいお話だと思いますが、快く話してくださった近藤さんには感謝しています。
今はSNSがあることから周りの情報が入りやすく、他者がよく見える傾向にありますよね。

ですが本当はみんな、何かに悩み、もがきながら子育てしているんだと思います。

3歳までに脳の土台は出来上がる

三つ子の魂百まで・・・3歳頃までに人格や性格は形成され、100歳までそれは変わらない。

近藤さんがおっしゃるには、脳の仕組みという観点からみても、このことわざは当たっているそうです。

人間は3歳頃までが、言葉を使いこなす「言語能力」と、感情をコントロールする「感情抑制能力」を習得するのにもっとも適した時期(臨界期)なんです。それ以降は、ゆるやかな成長になります。
抱っこや語りかけ、人や自然との触れ合いを通して脳を活性化させておくと、その後の記憶能力や知能は発達しやすくなります。

人間の脳の土台は3歳までが重要だということは、あらゆる調査研究で証明されているんですって!

ただ、ここで誤解してはいけないのが、だからといって、「保育園にあずけてはいけない」「母親が育てなくてはいけない」という話ではないということです。
あくまでも、たっぷりの愛情を注ぎながらお子さんに言葉がけ、五感を通して豊かな経験を与えてあげることが大切だということです。

  • 我が子に優秀になって欲しい
  • 自主性のある前向きな子に育って欲しい

親は、いろいろな願望を子どもに抱くものです。

もし、あなたもそのように願うのであれば、一度”この行動にはどういう意味があるのかな?”と考える余裕を持って欲しいんです。

あなたの捉え方が変わると、あなたの心の持ち用は変わります。
捉え方一つであなたの心にも、お子さんの脳の発達にも良い作用が働くのです。

大きくなってから後悔しないよう、いま必要なことをしてあげたいと思いませんか?

ここからは、よくあるお子さんの行動を例にして、その行動にはどんな意味があるのか、そのときどう対処すればいいのか説明していきますね。

あなたは一人の人間を育てるというすごい偉業を成し遂げています!
あなたはすごいんですよ\(^o^)/

赤ちゃんのいたずらの真意とは~あなたが取るべき対処法~

1. ゴミ箱や棚の物をエンドレスに引き出す

行動の意味

このような時、「もぉ~また全部出して~!何回ダメって言ったらわかるの?私の気を引いているのかしら・・・」と、思っていませんか?
お子さんは、あなたの気を引いているのではなく、ただ関心があり、本能のまま動いているだけです。
3歳までの子どもは「好奇心」「探究心」で動いているため、”ママのこと困らせよう”なんて1mmも思っていませんよ(^^)

ママの対処法

「この子は好奇心の塊だ!将来は博士なの?経営者なの?すごーい!」くらい飛躍した捉え方をすると、ママも少し笑顔になれるのでは!?
全部出して好奇心が満たされば、その行動はしなくなります。
ただ、ゴミ箱など出して欲しくないものは、見えない所に隠すとか、100均でダミーのゴミ箱を用意するとか、工夫をしてあげましょう。(子どもはおもちゃよりリアルな物が大好きです。)

子どもの欲求を満たしてあげることが、イヤなことをやめさせる最短ルートですよ!

2. 机やテレビ台に上る

行動の意味

これは、身体能力を高めようとする本能の動きです。
脳は抱っこなどでママとの愛着関係が形成されると、同時に身体的にできることが増えていくので、好奇心・探求心のまま高いところに上っていきます。

身体能力の発達は、脳の発達に良い影響を与えるともいわれており、言葉の習得や知能の発達につながります。

ママの対処法

「机に上るのは行儀が悪い」「ルールを守れない子にならないか心配」と思うママの気持ちもわかります。ですが、3歳までの子どもの脳は長期記憶ができないため、何度も同じことを繰り返します。(わざとではなく)
しつけは長期記憶ができる3歳からとして、愛着関係の形成も引き続き行いながら、今は危険がないよう足腰の発達を促してあげましょう。

3. なんでも投げる

行動の意味

これも、身体能力を高めようとする本能の動きです。
物を投げると落ちる。大人から見れば当たり前のことですが、子どもは五感で確認して学んでいます。

ママの対処法

そんな時は、「わぁ~、この子、重力について学んでる~!」と捉えてみると、お子さんのことを”すごい!”と思えちゃうかも!?
とはいえ、コップやリモコンなど、投げてはいけない物もありますよね。
そんな時は、(わざとじゃないので)怒らずに、投げてもいい物に持ち替えさせてあげましょう。
そして同時に、「かたいはおく」「やわらかいのどうぞ」と声をかければ、耳で聞いて感触を確かめながら、言葉も覚えられます。

子どもが好ましくないことをした時、「ダメダメ!」という言葉を言いがちですが、そうすると子どもは楽しくなって余計に続けます。
そういう時は、「無視をする」という技を使いましょう。
これは愛情がないのではなく、ママが「ダメダメ!」と反応しなくなるとおもしろくないため、子どもは自然としなくなります。

4. ママをずっと求めてくる

行動の意味

6~7か月の後追い期では、ママはトイレにも行けず困ってしまいますよね。しかしそれは、大好きなママを認識している証拠です。目の前からいなくなったから探しているのです。
ここだけの話、パパがいなくなっても泣きませんよね(^^)

また2歳頃になると、何かをするたび「ママ見て!ママ見て!」と求めてきます。それは、ママに認められることで自分の存在意義を確認したり、承認欲求を満たしたり、心の安心を求めています。

ママの対処法

ただ、用事をしている最中に言われると、ついつい「ちょっと待って~!あとでね~!」と言ってしまいますよね。
ここで必要なのが、ママの演技力!どうにか行けそうな時は、「なになに~!すごーい!!」と慌てふためく演技をしながら、子どもの元まで飛んでいきましょう。
そうすると、子どもの欲求は満たされ、安心して遊びに熱中する時間が増えていきます。

5. スーパーで走ったり大声を出したり、肉や魚のパッケージを触る

行動の意味

この時期のお子さんは否定語が理解できないため、「走ったらダメ!」と言われると走りたくなっちゃうし、「触ったらダメ!」と言われると触りたくなっちゃうのです。

また、ラップでくるまれたお肉の感触を確かめてみたいという好奇心・探求心から手を伸ばしているのであって、ママをバカにしているわけでも、怒らせようとしているわけでもありません。

ママの対処法

よくないことをし始めたら、手をつないで物理的に無理な状態を作ります。
お菓子売り場でダダをこねるなら、そこは通らないようにしましょう。
しかし、それでも言うことを聞かない場合は、人やお店に迷惑をかけるため、子どもを抱えてスーパーを出ましょう。

ほかにもたくさん、ママが困るシチュエーションはあると思います。
また、いまお伝えした対処法が通じないということもあるでしょう。

そこで覚えておいて欲しいのは、子どもも一人の人間だということです。

一人の人間を育てているんですもの、思い通りにいかなくて当然です。
6歳くらいまではできなくても大丈夫。そう思っていれば、なにかできた時、逆に「すごいね!」という言葉が自然と出てきます。

兄弟がいれば上の子も下の子も、もっというならあなたも子どもも、別の人間です。
「3歳までの脳の仕組み」「子どもは別人格」という事実を知ると知らないでは、子どもとの関わり方が大きく変わります。

あなたの心の余裕のためにも、お子さんの発達のためにも、この記事がこれらを思い出すきっかけとなってくれれば嬉しく思います。

ただ、うまくできないことがあっても、自分を責める必要はありません。
先ほども言ったように、思い通りにいかなくて当然ですからね。
もしも、イライラやクヨクヨが収まらないという時は、「私はよく頑張っているよ」と自分をかわいがってあげてください。
目の前の子どもがごはんを食べて、スヤスヤ眠っていたら、それで大丈夫!あなたはよく頑張っています(^^)

あなたの感情は過去の体験からできている

ここまでは、子どもの脳の仕組みについてお伝えしてきました。

あともう一つ大切なことは、「あなたについて知ること」です。

子どもの人格が一人ひとり違うように、ママの性格、育った環境、思考や価値観は異なります。
同じ出来事が起こっても、人によってその時とる言動や、本能的に自分を守ろうとする防衛反応はさまざまです。

1つ例を出すので、あなたはどのタイプか考えてみてくださいね。

あなたのお子さんがスーパーで走り回り、近くにいた女性に注意をされました。


私がきちんとしつけられていないから・・・
私には、やっぱり育児は向いていない・・・

と、自分を責める。


スーパーで走ったらダメでしょ!
スーパーでは大人しくするのが当然でしょ!

と、子どもを責める。


その場では常識的に振る舞う。
また、子どもを注意されてショックを受けた自分の感情を感じないようにふたをする。


ダメよ~、ダメよ~
そうですよね~、すみません~

優しく子どもを追いかけ、女性には謝ってその場を取りまとめる。


考えるのはもうやめよう・・・

と、家に帰ってスマホを見る。

心当たりのある行動はありましたか?

実は、あなたが過去に体験してきたこと、両親や周りの大人に言われてきたことによって、同じ出来事でも人によってとる言動や防衛反応はこれほどまでに違うんです。

どれが良い悪いという話ではなく、自分のタイプを知っておくと、今後落ち込むことがあった時、”あ~私またこの考え方してるなぁ~”という気づきになります。

あなたがなぜそのタイプになったかについては、ここでは割愛しますが、過去の体験から今の思考や価値観ができていることを知っておいてくださいね。

頼ることは悪いことではありません

ただ、あなたの気持ちが沈んでいる原因は、心の問題だけでなく物理的にサポートが必要な場合もあります。
あなたは頑張りやさんだから、”このくらい耐えなくっちゃ!”っと我慢しているかもしれませんね。

最近は以前に比べると、家事代行サービスも市民権を得てきたように思います。
ママだって得意なこと・不得意なことがあって当然です。
あまり一人ですべてを抱え込まないよう、行政や民間サービスの利用も視野に入れてみてくださいね。

一時預かり保育

市区町村の保育所や幼稚園、民間の託児所、ベビーシッターなどで、時間単位から子どもを預けられます。

行政サービス

自治体によっては、「子育て世帯訪問支援事業」や「養育支援訪問事業」等が行われています。

家事代行サービス

お住いの地域によって業者は異なりますが、代わりに掃除や料理などをしてくれます。

【CaSy】

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まとめ

ここまでお伝えしてきた内容だけで、子育てが楽になるとは思っていません。

現代を生きる母親にとって、孤立が進んだ状況は子育てをしやすい環境にあるとはいえませんし、子育ては毎日ずっと続くもの・・・いつも笑って楽しく子どもと向き合うほうが難しいと思います。

おそらく、どの時代も母親は悩み、もがきながら子どもを育ててきたのではないでしょうか?

変化したのは、母親の周りに助け合える存在がいるかどうか、、
母親が気持ちを吐き出せたり、共感し合えたり、励まし合ったりできる場所が必要なんだと思います。

この記事は、子育てにおけるノウハウを知ることで、少しでも気持ちが軽やかになったり、なにか現状を変えるきっかけになったりすればいいなとの思いで書いてまいりました。

何度も言いますが、これらの内容だけですべてが変わるとは思っていません。
ただ、ここまで読んでいただいたあなたの心が落ち着いたり、気づきや学びのきっかけとなったり、何らかの感情を感じていただけたなら幸いです。
あなたとお子様のお幸せを心よりお祈りしています。

最後にあと少しだけ、「脳の仕組み」についてお話していただいたので、興味のある方はご覧くださいね。

コラム「脳と家は同じ!丈夫な家を建てるには」

人間の脳は三重構造になっています。
脳を家でたとえるとわかりやすいのですが、土台となる1階部分がしっかり築かれていないと、丈夫な3階建ての家は建ちませんよね?

脳も同じで、抱っこや言葉がけ、深い愛により、1階部分の愛着関係をしっかり形成することが大切です。それから次に、身体能力や言語能力の発達へと移り変わります。
早期教育には、愛着関係が形成されているという前提があります。1階を飛ばして2階から家を建てることの難しさがわかりますよね。

昔は、いろいろな人や自然との関わりがあったため、子どもの脳は多くの刺激を受けてきました。
ですが今は、時代も環境も違います。
脳の発達を促すために高価なものは必要なく、遊びは100均にあるもので十分揃えられます。
また、動画を見る日があってもいい。四六時中とは言いません。
ママがお子さんを抱きしめて、「大好きだよ」と笑顔で伝えてあげることが、子どもの心と脳にはもっとも嬉しいことなのです(^^)