あなたは普段タクシーを利用していますか?
徳島県民がもっともタクシーを利用するタイミングといえば、「お酒を飲んだとき」ではないしょうか?
都会暮らしの方にとっては普段使いのほか、荷物が多い時や時間がない時なんかにも便利な乗り物ですよね。
しかしタクシー業界は、乗車率の低下に加え、人手不足、従業員の高齢化、長時間労働など、厳しい状態が続いている会社が数多くあるのです。
そんなタクシー業界の負担を軽減するべく、改革を起こした男性が、電脳交通CEO近藤洋祐さんです。
今や地域交通を支える企業として、全国的に名を広げている企業の社長です。
ここでは、近藤さんの「強み診断」をもとに、電脳交通の目覚ましい活躍ぶりや、さまざまな新規事業への取り組みがどのような考えのもと執り行われているのかを紐解いていきます。
実は近藤さん、ストレングスファインダーを受けるのは今回が初めてだそうで、ご自身もとても興味深く診断結果を聞かれていました。
そしてご自身の性格と照らし合わせながら、会社のこと、私生活のこと・・・色々なことをお話してくださったので、ここでしか知ることのできない近藤さんをみられるでしょう。
どうぞお楽しみにご覧くださいね。
※ストレングスファインダーとは・・・「人は自分の弱みを改善するよりも、自分の強みに意識を向け、それを活かすことで最大の能力を発揮する」という故ドン・クリフトンの考え方にもとづいて開発された、人の資質を見分ける方法のことです。
※このメディアでは、強み診断士尾﨑恵里がストレングスファインダーを用いて、ゲストの資質を分析していく様子を記載しています。文章には動画で放送されなかった内容もありますので、どちらでも楽しむことができます。
※記事の内容は、2020年12月現在のものです。
やりたいことをやる!卓越した行動力と探究心
1985年、徳島市ご出身の近藤さん。
ご実家は、近藤さんが幼い頃からお祖父様・お祖母様・お母様が「吉野川タクシー」というタクシー会社を営まれていました。
お父様は学校の教員をされており、二人姉弟であるお姉様とは、今でもとても仲良しなんですって!
(実は私も高校時代、近藤さんのお父様にお世話になりました!)
学生時代はラグビー・サッカー・バスケと、色々なことに挑戦するスポーツ少年でした。
その一方、小学校3年生のとき学校でパソコンの授業を受けたことをきっかけに、インターネットの世界に魅了され、毎日パソコンに触れていたという一面も持ち合わせています。
小学生の時から、自分が興味をもったことには何でも挑戦するという、好奇心や探究心に満ちあふれていました。
近藤さん、日頃のご活躍をみると、学生時代からさぞかし目立つタイプで、生徒会長とかしていたのかと思いませんか?
お聞きすると、
生徒会長は個人主張ではなく、全体最適を求められます。
自分の長所を生かして評価してくれる場所がぼくにとって最適な場所であって、「型」を求められる生徒会長になる器は自分にないと冷静に考えていました。
こんな答えがかえってきました!
これほどまで合理的で論理的な10代っているんですね?
近藤さんの冷静な判断力は、生まれ持った才能といっても過言ではないのかもしれません。
また、近藤さんはメジャーリーガーを目指し、高校1年生のとき野球を始めました。
当時メジャーリーグで活躍していたイチロー選手に憧れを抱いていたこともあり、大学はアメリカへ留学することを決めていたのです。
しかし夢を追い求めるかたわら、高校生からメジャーリーグを目指すことが、どれだけ大変な事かという現実も理解していました。
ですが、挑戦したかったのです。
実力も人脈も何もない状態から、自分がどこまでやれるのか・・・試してみたかったのです。
近藤さんは当時を振り返り、「学生時代はとにかく、アドレナリンが出る方へ近づいていました!」とおっしゃっていました。
固定概念やムリだろうという決めつけの枠におさまらず、挑戦する気持ちこそが近藤さんの生きる活力であり、最大の長所(強み)なのです。
18歳という若さで誰も知らない、言葉も通じない国へ行き、野球経験3年の少年がメジャーリーガーを目指すという映画の主人公のような生き様、、、
彼の想いを受け止めて、背中を押してくれたご両親にも、敬意を表さずにはいられません。
夢が破れた瞬間、アメリカでみた現実
近藤さんが心を踊らせ、意気揚々と夢を追い求めたのも束の間、、、
現実は想像以上に厳しかったのです。
現地では、結果を出さないと意味がない。
努力や頑張りだけで認めてくれるような、生ぬるい場所ではありませんでした。
おまけに他のチームメイトに比べて体は小さく、アジア人というだけで周囲の目は厳しい、、、
ここで結果を残すためには、死にものぐるいにならなけばいけないという緊張感を常に持ちながら野球に取り組みました。
しかも、アメリカの田舎町で生活していた近藤さんは、日本ではあり得ないような劣悪な環境で暮らすことになったのです。
周囲にはマリファナ中毒者がいる、ものが盗まれるのも当たり前・・・
「貧困層の実態とお金の価値」を目の当たりにしました。
結局、メジャーリーガーになるという夢を叶えることはできず、日本へ帰国することになるのです。
帰りの飛行機では何とも悔しかったんだとか、、、
だけどそれと同時に、生きる術を習得し、上昇志向をさらに磨き込むことができた大きな挑戦になったともおっしゃっていました。
吉野川タクシー代表就任!タクシー業界の課題と現場での気づき
2010年、22歳で帰国したある日、お祖父様が倒れられたのです。
そこで、これからだれが吉野川タクシーを承継するのか家族で話し合いが行われました。
お父様は教員だし、家族みんながどうしようか悩んでいたとき、
「じゃぁ、ぼくがやろうか?」
と直感で答えたのです。
後々この一言がきっかけとなり、2012年、吉野川タクシー代表取締役社長に就任することになりました。
社長就任後わかったことは、吉野川タクシーは25年連続で売上高が減少しているという事実・・・
ここからどう立て直すのか、近藤さんはあらゆる手段を考えました。
その1つが、従来の車種を海外仕様にモデルチェンジするというものです。
実は近藤さん、アメリカでみた「イエローキャブ(アメリカの各地で使われるタクシー会社)」にかっこよさを感じていたため、日本では珍しいオシャレなタクシーを実現させたのです。
それから”どういう人がタクシーを求めているのか””どんなサービスがあれば人々を助けられるのか”、ご自身も運転や配車手配など現場でひたすら働きながら考えました。
さまざまなニーズに答えられるよう、人々のためになるサービスを考え続けたのです。
ですが、ある時気がつきました。
お客様を助けるのも大切な仕事だけど、タクシー業界にある課題や問題を解消することも大切ではないのか・・・
業界の人たちの悩みを解消すると、もっと地域交通自体が発展するのではないか・・・
それからというもの、ITを積極的に取り入れることを再重視しました。
小学生の頃からインターネットに触れていた近藤さんにとって、ITがどれほど有効的で将来性があり、今後の生活になくてはならないものかということはよくわかっていたのです。
そして思いついたのが、「配車手配をクラウドでできるようにすること」
みなさんタクシー会社の受注の流れってご存知ですか?
深夜遅くまで電話番をしている人がいて、無線で配車手配をしてお客様のもとにタクシーを送っています。
高齢化が進んだタクシー会社にとっては、人手不足のうえ深夜の営業・・・従業員の負担がとてつもなく大きかったのです。
実際、近藤さんも当初は友達と食事をしていても、連絡が入るとその場でタクシーを配車するなど、、、休まらない日々を過ごしていました。
そんなとき運命的に出会ったのが、現在株式会社電脳交通CTO坂東勇気さん。
坂東さんは過去に、ゼンリンデータコムでエンジニアをされていました。
徳島に帰郷し、地方にある既存の課題をITの力で解決したいと考えられていたところ、彼らは出会ったのです。
タクシー業界×元地図製作会社のエンジニア
これほどまで最強タッグを組める二人はいないんじゃないかという二人が出会い、近藤さんの描いていた「クラウド型配車システム」は完成したのです。
そして2015年、株式会社電脳交通を立ち上げ「クラウド型配車システム」を売り出すと、大反響をよぶことになりました。
2016年には「とくしま創生アワード2016大賞」を受賞、2017年にはベンチャー通信「注目の西日本ベンチャー100」に選出・・・最速でスピーディーな成長を続けていくのです。
株式会社電脳交通「クラウド型配車システム」とは
「クラウド型配車システム」とは、簡単にいうと「タクシーの配車手配を電脳交通の社員が代わりにします」というサービスです。
クラウドで情報を管理し、マップと連携しているため、たとえ電脳交通本社が徳島にあったとしても、全国どこのタクシー会社の配車手配もすることが可能なんです!
(現在は福岡・岡山・東京・神戸にCC/オフィスを開設しています。)
よって、深夜遅くまで電話番をする必要なし!
高齢ドライバーでも安心して使えるタッチパネル動作で、お客様のもとへ向かうことができるのです。
2019年の3月には導入台数が1,000台を突破し、多くの企業と資本業務提携も結ばれています。
ですがこれらの業績のもとをたどると、近藤さんが現場で感じた課題を解決するために思いついた方法で、”人々のためになることをする”という信念があったからこそ生み出されたサービスです。
表では華々しく映っていますが、地道に人のためを想い、こつこつ努力してきた結果が今につながっているのです。
ストレングスファインダーからみる、近藤洋祐さん
ここからは、強み診断士尾﨑恵里がストレングスファインダーを用いて、近藤さんの強みである資質を解説していきます。
ストレングスファインダーとは、一人ひとりがもつ強みのことです。
”この資質はこういう考え方だから、こんな取り組みをしているんだ~”
”この資質の人は、こんな考え方をするんだ~”
というように、近藤さんの強みに着目して、現在の事業内容や性格について聞いていただければと思います。
近藤さんの強み診断Top5はこちらです。
- 未来志向
- 学習欲
- 競争性
- 目標志向
- 調和性
「電脳交通のスピーディーな急成長」×未来志向&目標志向
未来志向とは・・・未来をイメージするのが上手です。ポジティブでワクワクするような未来を描くのが上手な資質です。
目標思考とは・・・目標を設定すると目標に向かって一直線!最短の道で、その目標に突き進みます。目標を決めた瞬間にすべてに優先順位をつけ、スピードと勢いをもって成功にたどり着くことができます。日本人に少ない資質なんですよ。
私は未来志向×目標志向の資質で、ここまでスピード感をもって色々な事業を成し遂げてこられたんだと思います!
そういわれた近藤さんは、自分の中に思い当たる部分があったようで、ご自身の行動を振り返られていました。
まず、25歳でなかなかタクシー業界に入ろうと思わないですよね(笑)
たしかにぼく、常に1秒単位で最短の道のりを考えています!
そして限られた資源の中で結果を残すためには、大事なことがあると思っているんです!
と話す近藤さんは、こちら
(13:36秒辺りまで)
近藤さんは昔から、状況や環境、市場とか世の中の評価や固定概念に縛られず、自分の中で楽しめるポイントを見つけられる人間だと、ご自身でも思っていたそうです。
だからメジャーリーガーを目指してアメリカへ行くことに迷いもなかったし、衰退していたタクシー業界に入ることにも躊躇しなかった、、、
限られた資源の中で結果を残すためには、迷いがない状態で突き進むのが、最短で目標を達成できることを本能的に知っていたのです。
強みとは、心臓を動かすように当たり前にできていることです。
近藤さんの場合、ポジティブでワクワクするような未来に向かって、一直線に突き進められる性格が最大の強みであり、リーダーとして電脳交通を躍進させている重要な資質になっているのでしょう。
「社員との関係性」×調和性
調和性とは・・・衝突や争い事を嫌い、そこから得るものはないと考えているため、争いを最小限にしようとします。
周囲の人が異なる意見をもっているとわかると、みんなの意見を聞き、共通点を見出そうとする性質をもっています。
調和性の話になった時、尾﨑が何気なく放った言葉にショックを隠しきれない近藤さんがいました!
その時の様子が、こちら
(15:09秒辺りまで)
ただ、調和性って人間関係を円滑にする潤滑油のような資質も持ち合わせています。
字のごとく、人間関係の調和をとることを得意としているのです。
なので動画を見るとわかるのですが、近藤さんはゲストなのに、何度かコメンテーターの立石さんに意見を求める場面があります。
そのように自分だけが話すのではなく、色々な人の意見を聞いてその場を調和することも、近藤さんの強みとして自然と行われています。
また、未来志向&目標志向が強みの上位を占めているため、目標に最短距離で向かおうと社員や周囲の人に自分の意見を振りかざしてしまうと、衝突することも理解しているそうで・・・
自分が目指す目標を達成するためには、どう周囲を納得させるのか、どうすれば自分に付いてきてくれるのか、周囲と伴走しながら目標達成させる方法を、経営者をしながら磨き込んでいるんだとおっしゃっていました。
「コンプレックスとの戦い方」×学習欲
学習欲とは・・・学びを心から楽しみます。新しいことにチャレンジすることに抵抗がなく、学べるチャンスだと捉えているので、踏み出せる勇気をもっています。
近藤さんの場合、未来志向&目標志向に学習欲もプラスされているので、メジャーリーガーを目指してアメリカに飛び込めたり、新しいことを導入することに抵抗なく踏み出せる勇気があるのかなぁと思います。
たしかにぼくは、学習することは大好きです。
実は今までコンプレックスや悩みを消すために、学習してインプットを増やしたり、色々な方の哲学に触れたり・・・知的刺激を得て乗り越えてきました。
悲しい時、楽しくなろうという気分を呼び起こしたところで、気分は変えられません。
学習することで自信がついたし、コンプレックスやあらゆる困難と戦うことができています。
近藤さんからコンプレックスという言葉がでてきて、”近藤さんでもコンプレックスってあるんだなぁ・・・”と思いました。
近藤さんも経営者でありながらも一人の人間です。
今回のお話をきいて、みえないところで自分と向き合い、努力を積み上げていることが本当によくわかりました。
「Netflixでよくある、キラキラしたスタートアップの話なんて現実にはないですからーーー!!!」
と言い放つ近藤さんはこちら
(22:12秒辺りまで)
「他者に負けない戦略とライバルの存在」×競争性
競争性とは・・・字の通り、競争するのが大好きな資質です。負けるのが嫌いなので、負けるとわかっている勝負はしません。
実は、調和性と競争性は相反する資質なんです。
近藤さんに競争性があるのは意外でしたが、きっとある部分で出したり出さなかったり上手に使い分けをしているのかなぁと思います。
ぼく、オセロをしても必ず四隅をついて、負けない戦略を立てるんです。
だから事業に関しても、資本力が高いプレイヤーが出てこない領域からポジションをとって、シェアを高めてきました。
そして骨太事業ができあがってから、大企業と戦う領域に入るという大胆かつ繊細な戦略のもとやってきたんです。
近藤さん、実は根っこでは2番でも3番でもいいという性格なんだそうです。
ですが、1番じゃないと勝てない世界に飛び込んだことから、”これではダメだ”と後天的に自分の性格を矯正してきたんですって!
動画で近藤さんもおっしゃっている通り、ストレングスファインダーは先天的でもあり、後天的でもある現在の自分を知ることができ、”自分はこれでいいのだ”と自信を与えてくれる自己分析ツールなのです。
また、競争性にはライバル設定がモチベーションをあげるという意味もあるんです。
そういう面で心当たりはありますか?
ここで、近藤さんが思うライバルの存在について、語ってくださいました。
その時の様子が、こちら
(27:30秒辺りまで)
近藤さんも自身のコンプレックスと戦い、ライバルに負けない戦略を考え、常に自分の内面を磨き込むことを意識されていることが本当によくわかりました。
コロナ渦でのタクシー業界
コロナ渦で外出自粛を余儀なくされている現在、タクシー利用者は大幅に減少し、タクシー会社として独立した稼働が困難な時代に突入しているそうです。
そんなとき各会社がアウトソーシングをして、経営を楽にしていこうと考えたとき、電脳交通はその先にいる存在になりたいとおっしゃっていました。
ぼくたちが、地域交通を支えている人にもっと楽になれる手段を提供するには、まず「安心して任せてもらえる存在」にならなければいけないんです。
そのためにも会社内部だけではなく、業界団体の人とも摩擦なく付き合うことで、”この人に任せても大丈夫!”と信用、信頼される存在になる必要があります。
近藤さん、これまで「人とのつながり」にとても重きを置いて、信頼関係を構築してきました。
人との出会いの先にはチャンスがあると信じて・・・
ビジネスの代償と今後の夢
しかしその代償として、家族がいる徳島で過ごす期間は、月に1週間程度しかないそうです。
子どもを育てる父親として、家族と過ごし、ふれあう時間がいかに大切であるかはわかっています。
だけど起業した当初から、会社を大きくして全国にクライアントをもつ未来は想像していたので、プライベートはなくなるだろうと思っていました。
それでも自分が今しなければいけないこと、社会的に成し遂げたいことがあることは、家族に理解してもらうためずっとコミュニケーションをとってきました。
家族との信頼関係があるからこそ、安心して仕事に集中できるんです。
このようなことを、おっしゃっていました。
近藤さんも”たら・れば”を言えば、もっとこうすればよかったと思うことは多々あるそうです。
ですが、強みである未来志向を生かし、前をみてポジティブに突き進む近藤さん(お父さん)の背中をみて、きっとご家族も尊敬の念を抱いていることでしょう。
最後に、今後の夢をお伺いしました。
- タクシー業界No.1シェアをとる
- タクシー業界を超え、鉄道・バス・タクシー公共交通すべての利用者にとって、より良い体験を提供できる側になる
- 上場企業になる
志高く、自分の思い描く未来に向かって挑戦し続ける近藤さんを、私たちはこれからも応援し続けます!
最後に
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
動画全編は、こちらからご覧いただけます。
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